昨日はバックをご紹介しましたので、表甲(トップ)です。
ずらっと並んだ甲材たち。昨日のバック材もここにいます。
切り出された材を選抜し、ブックマッチしたり製材したり型抜いたりを経てここまで来ました。
どの材も緊張の面持ちですね。
そうです、これからトップ板、さらにはトップ板表側が指名されるからです・・・ゴクリ。
甲板表裏のペアは決まっていても、どちらがトップorバック&表or裏はまだ決まってないのです!!
(実際には、この状態にするまでにあらかた決まっています。)
この状態からトップ板表面、つまり「推し面」を決める作業に入りますっ!!
木目の通り方や材の色味、杢の具合、材の硬さ柔らかさ、節や染みなどの欠点・・・と様々な要素が考慮されてKakumae Ukuleleのトップにふさわしい面「推し面」が決定されます。
それは材と職人の一騎打ち。
あの面この面が自分(自面?)こそが優れていると我々の眼球に訴えかけます。しかし、心を鬼にして、完成形を想像して、たった一面の「トップ板表側」を選び抜いていくのです。
厳しい世界です・・・
なにせ材を買う時からいろいろ注意しております。特に節や染みなどは「あるとアウト」という風潮が日本の楽器業界にあります。なのでその辺の好みを材木屋さんに伝えて、実際に来た材とにらめっこして使用材を選んでいるのです。
・・・昔こんなことがありました。初めてお取引するアメリカの材木屋さんからコア材を購入した時のことです。
弊社「ウクレレ作るコア材欲しい。節とか染みとかないやつ」
アメリカの材木屋さん(以下アメリカ)「コア材あるよ」
弊社「下さい」
アメリカ「OK送る」
材届く
弊社「染み・節があるのも交じってる。これらはアウトだから次のは気を付けてって知らせよ」
写真撮ってアメリカにメール送る
アメリカ「お前ら本当は何作ってんの?」
どうやら弊社が気にしているような欠点は、アメリカの木材屋さんが取引している他の取引先は全く気にしていないとのことでした。
閑話休題。
見事「推し面」となりトップ板表面となった材たちは
エボニーから切り出される装飾を・・・
トップにはめ込んで・・・
こうっ!!
という具合にトップ板表としてさらに磨きをかけて、皆様の元へ向かうその日まで日々ウクレレらしくなっていきますとさ、めでたしめでたし。
今日は写真がいっぱいでしたね。これからもがんばります。